田舎僧侶の暮らし

けっこう長芋が好きな坊主のブログ

読書感想文『Think clearly–シンク•クリアリー』

 

この前、YouTube見てて、検索せずとも、あなたにおすすめの動画的なところに、中田敦彦のYouTube大学が紹介されていて、この本のサムネイルであっちゃんが動画出してたので気になっていました。



ロルフ・ドベリ『Think clearly』読了しました。

 

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「思考の道具箱」は雑多な知識よりも、お金よりも、コネよりも、人生にとっては大切な物である。

 



これは自己啓発本?

 

 

これがあれば人生は、きっと上向いていく

 

みたいな文言が太字で、3ページ目くらいに書かれていたから、よくありがちな自己啓発本の類の話なんだろうな。なんて疑いながら、斜に構えながら読み進めていったよ。

 

斜に構えながら、読み進めてはいったものの、妙に納得するところもあり・・・・

 

具体的にこう行動すればいいんだよ!みたいな書き方ではなく、あくまで「思考の道具箱」と筆者が銘打っているように、こういう考え方をしてみたらええんやで!という物事の考え方を教えてくれる本だった。




「考え方」の引き出しを多く持とう

 

この本で著者が紹介している「思考の道具箱」なる、人生をなるべくストレスレスで生きていくための考え方の種類は、著者が提示しているだけで52個ある。

 

52個あるけれど、その思考の根拠としているのは、有名な投資家の話だったり、心理学の研究の成果だったり、ローマ時代の哲学の考え方であったり・・・・

 

それらを根拠にして、著者自身の体験と絡めて、著者の論調を進めていく形式になっていたなぁ。

 

ただ、52個も思考法が列挙されているから、普通に読んでいて、お腹いっぱいの感覚だし、52個もあるから、果たして本当にそうか?なんて疑いたくなるものもあったね。

 

だからこの本から得られる感じ方は、結局人それぞれ違うだろうなぁなんて思ったり。

 

そんな思考の道具箱が詰まった本だけれど、著者が主として伝えたいこと、というよりは著者が具体例として上げていた出来事で、自分の中のヘェ〜ボタンが連打された箇所を紹介します。

 

・世界初の量産型ジェット旅客機であった「コメットMk1」は3回も航空事故を起こしているが、その原因だったのは、飛行機の窓の形が正方形だったこと。それ以降、飛行機の窓は丸窓に変化した。

 

・時代を江戸時代まで遡ると、自分の祖先の人数は4,000人にまで増える。

 

起きた出来事の長さは、記憶に影響しない。つまり、旅行をした期間が3週間だろうと1週間だろうと、後から振り返れば残っている記憶に差はない。そして、旅行全体の印象は、そのピークと終わりの部分だけで決められてしまう。《ピーク・エンドの法則》p208



内心に抱える「不安」は、私たちの脳内ソフトウェアを構成する標準的な部品のひとつだ。「不安」は、生物としてのプログラムにしっかり組み込まれているため、排除するのは不可能に近い。100万年もの間、私たちは常に、「不安」を感じていたからこそ生き延びたのだ。したがって、「不安」を感じること自体は、悪いことではない。p244



まとめ



心理学研究、哲学、投資家の思考、そして著者の経験。から導き出された人生をなるべくストレスレスに生きるための、「考え方」が詰まった本。

 

52個もの考え方が詰まってあって、正直お腹いっぱい。どの考え方が自分に合うかは、きっと人によって違うだろうな。

 

世の中の変化は激しすぎるのに、人体の構造は何百万年も前から変化していない。というところには納得。

 

ストレスフリーで生きるのは多分無理なので、せめてストレスレスになるような「物事の捉え方」を知れるきっかけになる本かなぁと思いまいした。