田舎僧侶の暮らし

けっこう長芋が好きな坊主のブログ

読書感想文『チーズはどこへ消えた?』

めちゃくちゃ薄い本。こんな薄い厚さの本読んだことないなと思い、借りてみました。

 

スペンサージョンソン:『チーズはどこへ消えた?』読了しました。

 

 

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この物語に登場するのはネズミのスニッフとスカリー、小人のヘムとホー。2匹と2人は「迷路」のなかに住み、「チーズ」を探します。

「チーズ」とは、私たちが人生で求めるもの、つまり、仕事、家族、財産、健康、精神的な安定・・・等々の象徴。

「迷路」とは、チーズを追いもとめる場所、つまり、会社、地域社会、家庭・・・・等々の象徴です。

この一見シンプルな物語には、状況の急激な変化にいかに対応すべきかを説く、深い内容がこめられているのです。

 



薄くて深い本

 

全部活字の物語になっているけど、絵本にしてもいいくらい中身はわかりやすい。

 

それに、全部で100pもいかないほど薄い本だから、1時間あれば読み終えてしまうほどの量。読書嫌いの人でも読みやすそう。

 

チーズを探す登場人物たち。

 

ネズミと小人という設定の登場人物たちが、人間の単純さと複雑さを表している。

 

そういう前提のもと本書を読み進めていくと、なるほど唸る部分もいっぱいあった感じがしたな。

 

人間は、他の動物と違って理性があるから、余計なことまで考えてしまうのよね。そしてポジティブに考えるより、ネガティブに考えてしまいがち。

 

人が恐れている事態は、実際は想像するほど悪くはないのだ。自分の心の中に作り上げている恐怖のほうが、現実よりずっとひどいのだp37

 

そうなってしまう思考の裏には、不安と恐怖という感情が大部分を占めてしまっていることに原因がある。

 

一方同じくチーズを探しているネズミは、

 

前進することに関しては、仲間のネズミたちのスニッフとスカリーから有益なことを学んだ。彼らにとって、人生はつねに単純だ。事態をどこまでも分析しようとして、物事を複雑にしたりはしなかった。状況が変わってチーズがどこかへ消えてしまうと、自分たちも変わってチーズを探しに出かけたのだ。p65

 

とあるように、考えるよりも先に行動に移してしまうという描かれ方。

 

ぐじぐじ考えていないで、行動に移してしまった方が結果オーライに近くで!という解釈になりました。



まとめ

 

「世の中は常に変化している」という、今までも、きっとこれからも誰かが言い続けていくだろうこのフレーズ。

 

それをたったの100頁未満の物語にして著した本書。

 

変化することが当たり前の世の中で、いかに自分が変化できるのか?

 

変化をし続けることの重要性を説く物語。

 

まるでダーウィンの進化論のように、環境に変化するものだけが生き延びる。

 

みたいな要素を感じたし、諸行無常みたいなニュアンスも感じました。