【読了記録】世界のすごいお葬式/ケイトリン・ドーティ、池田真紀子 訳
この本のタイトルと表紙がポップな感じだったので、思わず読んじゃいました。
ジャケ買いみたいな感じ。
ケイトリン・ドーティ、池田真紀子 訳:『世界のすごいお葬式』読了しました。
死者の弔い方は地域によって様々。
日本に住んでいて、火葬以外の葬送儀礼に立ち会ったことは、いままでにないよなぁ~と思いながら、この本を読み進めると、まあ世界にはいろんな弔いの儀式があるのね。
火葬の次に思いつきやすいのは、アメリカの土葬ね。
土葬がおおむねメインだから、ゾンビ映画とかいっぱい出てるわけでしょ。
日本みたいに燃やされてないから、墓地から蘇るみたいな!
でも、この本はそんなものじゃ終わらせてくれない。
インドでは、遺族が死者を担いでガンジス川の岸を歩き、野外火葬場まで運ぶ。
亡くなったのが父親なら、長男が火葬壇に火を放つ。
炎が熱く燃え上がるにつれ、死体の皮膚は泡立ちながら焼け落ちる。
ころあいを見計らって木の棒が持ち出され、死体の頭骨を打ち割る。
それと同時に死者の魂は解放されると考えられている。
日本と同じ、火葬といえど、野外で燃やす。
というところと、なにより頭の骨を打ち割るという行為は日本にはないよね。
また、日本では、火葬炉にいれられて燃やされるのが一般的だけど、そんな火葬炉をつかいはじめの頃は、「オーブンに入れられた人間は、時間をかけて無臭のうちに焼きあがった」と報告する評論家がいたりしたそうな。
インドネシアのタナトラジャという地域では、
タナトラジャでは、死から葬儀までの期間、死体は自宅に安置される。
それだけならさほど、衝撃的なしきたりとは思えないかもしれない。
でも、その期間は数か月から、場合によっては数年におよぶこともあると聞けば、おそらく考えが変わるだろう。
葬儀までのあいだ、遺族は食事を運んだり、着替えをさせたり、話しかけたりして死者の世話をし。ミイラ化させる。
ミイラ化なんて日本でやったら、法律にひっかかるやつでしょ!きっと。
でもこの地域での弔い方は、これでいい。
死者と一緒に眠り、起きたら服を着させて壁に立てかける。夜はまたベットにもどす。これを7年間やり続けた家族もいるらしい。
まとめ
この本の、序章で「この本で紹介する風習は、きっとあなたの国や文化の風習とはだいぶ違っているだろうけど、その違いにこそ価値を見出してもらえたらと願っている。」と書いてある。
ほんとその通りだったよ。
世界には、日本にいれば見たこともないような死者の弔い方があって、その地域ではそれが当たり前。
逆に、日本で当たり前の火葬だって、他の地域から見たら異常にみえるかもしれない。
けれど、死者を弔うという気持ちは世界共通だとおもったよ。
火葬だろうが土葬だろうが、はたまたミイラにさせることだって、その根底には、
死者に気持ちを寄せる、生きている側の人間の気持ちが反映されているんだよなぁ~とか
思ったりして。