読書感想文『コンビニ人間』
以前、村田沙耶香作品を初めて読んで、他の作品も読んでみたいと思っていた矢先、図書館にあったので借りました。
村田沙耶香:『コンビニ人間』読了しました。
コンビニといえば、特に買いたいものなくても、惰性で入ってしまって、結局何も買わないとか、逆に余計なもの買ってしまうとかしがち。
そんな、コンビニを利用する側の物語かと思ったら大間違い。
コンビニでバイトしてる古倉という店員のお話。
総ページ数150ページ弱だから、読書スピード遅い私でも、1週間かからずに読み終わりました。
多様性やら個人の時代やら叫ばれる昨今で、どう生きるかは自分次第!
みたいな時代の流れを感じるけれど、そんな一方で、就職→結婚→出産。みたいなわかりやすい人生の流れを相手に求めがち。
生き方は人それぞれなはずなのに、そんなわかりやすい人生を送っていないと、「え!まだ結婚しないの?」とか「いつまでバイトなの?」みたいに思われることもしばしばあったり・・・・
口に出さないだけまだましで、どう思われてるかなんて、結局わからん。
「普通の人間」にはなれない古倉。というか「普通の人間」とは?
みたいな、世間が求める人間と現在の自分を比較せざるを得ない状況がずっと続く・・・・
社会の方から個人を規定させられていく。というニュアンスがこの小説には含まれていて、以前読んだ、南直哉さんの本「なぜこんなに生きにくいのか」を思い出しました。
終始明るい小説ではない構成でしたが、最後の最後は、なにか吹っ切れたような、前向きな終わり方でよかったです。
まとめ
コンビニでバイトしてる店員の物語。
コンビニという設定だけど、コンビニじゃなくても、現在の社会状況に当てはまるような切り口だったな。
それにしても、白羽という奴は、とことんクズ野郎だと思ったよ。