田舎僧侶の暮らし

けっこう長芋が好きな坊主のブログ

読書感想文『頭に来てもアホとは戦うな』

 

この上から目線的な、センセーショナルなタイトルに惹かれて手にとってしまいました。まんまと、出版社の思うツボにハマってしまったって感じ〜

 

田村耕太郎:『頭に来てもアホとは戦うな』読了しました。

 

 

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読んだあとのざっくりした感想は、やられたらやり返す、倍返しだ!

という生き方は良くない、人生の時間を無駄にしているよ。という内容でした。

 

この著書でいうところの、アホは、自分にむやみやたらに執拗に絡んで来たり、自分の足を引っ張ってくるような人のことを指している。

 

そんなことをされて、倍返し!の思想のように、仕返ししてやるという思いを持ってしまうだけで、人生の時間を無駄にしているのだと、著者はいう。

 

仕返しするのではなく、そんな嫌なやつをも上手に利用して、自分の実績に反映させなさいと説いていた。

 

何でそんなに、相手を利用して!賢く生きなさい!みたいな論調で来るのかと思ったら、著者自身が元国会議員だからかなと思ったよ。

 

若くして政治の世界に入り、揉みに揉まれた結果がその考え方なんだなぁというところには納得。

 

そんな政治家経験のある著者が考える、生きる上でのテクニックは、「アホとは戦うな」というタイトルとはまた別に、参考になる箇所が散りばめられていた。



 

気まずい人ほど話しかけろ。

 

嫌いな人や、話にくい人との会話はなるべくなら避けたいと思うし、無意識に話しかけないようにしてしまっていると思う。

 

その先に待っているのは、悪い方向への過剰な深読みの応酬があると著者はいう。

 

 

過剰な深読み合戦のループに入ってしまえば、相手の悪意のない何気ない行動さえも”悪意ある行為”と深読みしてしまいがちだ。そうなると悪化した関係は悪い方向にエスカレートしてしまい、最後は衝突してしまいかねない。p62

 

 

勝手に深読みだけが進んでいかないように、嫌いな人こそ、顔を見せることだけは怠るなという考え方だった。

 

顔を見せないことこそ、悪い方向への深読みが始まってしまうのだ・・・・



 

人生で一番大切な能力。

 

 

元国会議員の著者、国の内外を問わず、あらゆるジャンルの人々と出会ってきた中で感じた人生で一番大切な能力は、相手の気持ちを見抜く力だという。

 

 

アイデアや熱い想いは世界の中にあふれている。重要なのはそれらを実行して世の中にインパクトを与えることだ、しかし、いくら賢くても、一人ではたいしたことは実行できない。いろんな人を巻き込み、彼らに本気で動いてもらう仕組みを考えて実行しないと、アイデアや想いは絵にかいた餅で終わってしまうのだ。そのために必要なのは、相手の気持ちを理解する能力だ。これがたいていの頭のいい人に欠けている気がする。正確に言うと、頭のいい人ほどこの能力がないとさえ思う。p75

 

相手の気持ちを考えなさい!何度も先生に言われた気がする言葉を、この本でも言われました。

 

小学生の時から、そういう教育受けてきたけど、大人になってわかったことは、この能力は身に付けるのは相当難しい。ということだよな〜

 

こんな時は、きっとこの感情だ!みたいなマニュアルなんて存在しないし、相手の状況・性格によっても、受け取り方は違うからね〜

 

相手の気持ちを理解する。これは生きていく上で、逃れられない課題だね。



まとめ

 

挑戦的なタイトル。

 

著者にとって、どういう存在をアホと規定してこの本を書いたのかは、前半でわかる。

 

それ以外は、自分の目的を達成するためにどういう生き方をすればいいか、処世術的な論調が多く書かれていた。

 

元政治家が語るだけあって、常に相手を意識した生き方は自分には真似できないと思ったよ。

 

「洋の東西を問わず」というフレーズが何回も出てきて、このフレーズ好きなんだろうな〜とか勝手に想像して、なんかほっこりした気持ちになりました。